お客様の課題・ニーズ
医療機器に使用される部品は、切断や研磨といった製造工程ごとに精密な洗浄が必要です。しかし、小さなものや形状が細かい複雑な部品が多く洗浄が難しいという課題があります。
当事例のお客様は、パイプ形状の金属部品を加工する際に発生した粉を除去するため自動の洗浄装置を使用されていました。

洗浄対象であるパイプを敷き詰め、敷き詰めたパイプに対し水を噴射するノズルと水を飛ばすエアーブローノズルをそれぞれスライド(摺動)させて洗浄します。
しかし、装置導入時より求められる品質基準が上がり、使用している自動装置では洗浄不足と判断されることが増えてきました。生産効率の向上のため、水とエアーブロー両方のノズルを見直すことになり、当社にお声がけをいただきました。
提案内容
まず洗浄水の噴射ノズルについて3つのノズルを提案しました。


①フラットスプレーノズル
現状の装置に使用されているノズルと同じフラットパターンだが、噴射角度を狭くすることで衝突力をあげ洗浄効果を上げる。


②ストレートジェットノズル
ストレートパターンにすることで衝突力をあげる。


③気水ノズル フラット型
液体と気体を混合させて噴射する2流体ノズルに変更し、微細なミストで洗浄効果を上げる。
試作・評価試験
提案した3種類のノズルをサンプルノズルにてテストしていただいた結果、③の2流体ノズルが最も効果が高いことがわかりました。2流体ノズルの中から噴射角度の異なるノズルを追加提案し、最適なノズルをお選びいただきました。
2流体ノズルによるミスト噴霧は微細な粒子のため、穴や小さな隙間に入り込みます。エアーのアシストもあって洗浄力が上がったと考えられます。
2流体ノズルは水と気体を混合して噴射するノズルです。噴射中に水を止めれば、『エアーのみ噴射』しますのでエアーノズルを兼ねることができます。
結果一つのノズルでミスト噴霧のエアーを切り替えながら往復するという使い方に決まりました。
